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2013年11月13日(第二部) 胆の座りっぷり

紙の試作品(オーダーメイドの長財布)
紙の試作品(オーダーメイドの長財布)

第二部です。
紙で作った長財布が完成しまーした。オーダーメイドの長財布です。
紙なんですけども、制作の手順はぜーんぶ、レザーで作るときと同じ順番です。

ほら、避難訓練とかもそうですけども…
訓練なんてちょれちょれーっつってやってたら、嫌な予感がするでしょう。

内側では、マチが付いてて、開くと両側に4つずつのカードケースが付いてるポケットが個性的です。
これがレザーで組み上がるのを想像すると、ワクワクしてきますねー。

…そうは言っても…
避難訓練とかって、けっこう気軽になっちゃいやしませんかね。緊張感を維持するのが難しくて。
出せって方が、無理じゃないかな。
だって、必ず一人くらい、ピクニック気分の子がいるでしょう。そういうのって、必ず伝わって…
あー、でもね。
いざ火事とかになったとき、変わらぬ胆の座りっぷりだったなら、その子は大物なのかな。

さーて、デザインや仕様の決定は終盤に入りました。
勘っていうのでしょうか。今回は、ここにこそこだわっております。

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2013年11月13日(第一部) うっかりしちゃったわけじゃないんですよ

浮かせ貼りの様子(オーダーメイドのキーケース)
浮かせ貼りの様子(オーダーメイドのキーケース)

これ、分かりやすいんじゃないですかね?
ほらほら、失敗して曲がっちゃってるわけじゃないですよ、これ。

オーダーメイドのキーケース、内と外のレザーの接着まで来たとこで、ちょっとだけお話お話。
折り曲げて使うことになる真ん中を、接着してません。見えますかね。
手抜きで接着しなかったわけじゃないですよ。

外側のレザーの方が、内側よりもほんの少しだけ長いんです。数ミリですよ。
そして、左右ともに外側から内側に向けて貼り付けていくんです。

すると、レザーに何の圧力も掛けて無いのに、ちょっと内側に曲がった状態になるわけです。
曲げる部分にシワが寄りにくくなりますし、美しく曲がります。
それに、使いやすそうだと思いませんか。開いたときに、この位の角度で止まるって。

ちなみに、福島で評判のカレーを食べたときに、お皿の端っこの方で、茶色と白のルーの色が分かれてるのを見たことがあるんです。
その時は…
「あーっ、さては、ちゃんと混ざってませんねー」
なんつって邪推したものですが、それが、具とルーを分けて調理したさいの、洒落た盛り付けらしいですねー。

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2013年11月12日(第二部) レザーの乾きに移ろいを知る

オーダーメイドのキーケースの下ごしらえ
オーダーメイドのキーケースの下ごしらえ

第二部です。
夕方の写真ですね。影が長いです。
なんだか良い雰囲気だったので、撮っといたんです。
オーダーメイドのキーケースの制作を進めています。

右側のナチュラルレザーが、表面を飾る美麗な一枚です。
真ん中をすきました。
吟面(レザーの表面)のきめ細かい繊維が見え始めるところまで。

これでね、癖も付けて無いのに、ちゃんと真ん中で曲がるねーってことになります。
ただ、このオーダーでは、シンプルさとキチっとした作り込みを第一にします。
その他の工夫は、邪魔しない限りで出来る範囲で、最小限。出る杭は打ちます。
遊び心を思い切って捨てた先にある魅力もあるもんで。

…あれっ?なんか今、なんかカッコいいこと言いましたかね?
言った感じするなー。似合わねー。

今日あたり、すぽーんと先に進めるかと思ってたのですが…
左側の打刻したレザーがですね、乾かない。
このときに反りを直しといて、ついさっき見てもまた反ってる。
こんなとこにも、季節の移ろいを感じております。

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2013年11月12日(第一部) 個性的って、なんだろうね

長財布の試作品のパーツ一揃い
長財布の試作品のパーツ一揃い

試作品のための紙のパーツがそろいました。ここで、いったん休憩でーす。
ご依頼のお客様との打合せを挟むので、先走らずに。

長財布のマチ付きポケットのフタを外して、ずらして置いて撮っています。
もうね、こんな状態でも個性的なポイント満載で、今からワクワクしますねー。

コーヒーでも飲みながら、個性的ってなんだろうなんて思ってみます。
ご存じの通り、あんまり個性的だとね、叩かれやすいですね。
その割に、大人しーくしていても、それはそれで叩かれるわけです。
いやー、とかくこの世は生きにくい。

自分で決めるんでしょうね、きっと。
こういう路線で行くのだから、あーいう考えの人から叩かれるのは、気にしないって。むしろ上等とか。
人間だもの、気にするけど気にしないって。

でもあれですよ。
体調が悪くなったりするとね、気弱になったりもするでしょうけど。

そうそう、マチの大きさを決めるのに少し迷いましたね。
引っ越し先を考えてるわけじゃないですよ。
長財布のポケットのマチの大きさですね。

長過ぎず短すぎず、ちょうどピッタリが良いんです。

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2013年11月11日(第二部) 水濡れレザーのシミ防止まめ知識?

打刻はレザーに水を含ませて打ちます
打刻はレザーに水を含ませて打ちます

今宵も第二部。
冷え込むようになりましたね、温かくしてるでしょうか。
さてさて、オーダーメイドのキーケース作りです。

レザーの裁断が済んで、お名前を打刻しました。
モザイクが掛かってお見せできないのが残念ですが。
かなり水分を入れてから打ちますので。
乾燥するまでは休憩です。

手触りで「いけるかな~?もう、次いっていいかな~?」なんつって作ってて
ちょっとヤスリ掛けとかしてみたら…
「あっ、待った、今のちょっと待って」
…なんて言いながら作るのはね、出来るだけ避けたいところ。

ところで、レザー製品って出来るだけ濡れないようにしてますよね、雨とかで。
シミになっちゃいますからね。

もし、シミになっちゃったら、早めに全部濡らすと目立ちにくくなりますよ。
表面を傷つけない柔らかーいスポンジとかが良いです。
洋服のシミと一緒で、水に濡れたらエリアを、汚れが縁に向かって移動するのでシミが出来るわけです。
名入れの打刻をしたレザーも、一部分だけ濡らすとシミになっちゃうので、全体に均等に濡らしてから打ってます。
そして形を整えて陰干し。
道中、反ってきたら直して。
完全に乾く前にオイルを入れると固くなり難いです。

念のためですが、試したらもっと酷くなっちゃったとしても、そこは責任持てませんので、ごめんなさい。
覚悟して、出来れば、もういらないものとかで練習しとくと良いと思います。

今宵はね、なんか豆知識コーナーみたいですね。
いつかどっかで役に立ったりするのかなー。

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2013年11月11日(第一部) お客様と一緒の予行練習なのかも

オーダーメイドの長財布の試作品・表側
オーダーメイドの長財布の試作品・表側

試作品作りが続きます。
オーダーメイドの長財布です。

左下に三角形の飾りポケットがありますねー。
かなり煮詰まっておりましたところ、お客様からアイデアを書きこんだ写真をいただきまして、他にもたくさんご質問いただいたりしながら。

この完全に 1 to 1 な感じが、オーダーメイドの醍醐味かも知れないです。
たった一人の方にとって一番良い物にするという。

マーケティングの手法でもあるんですよね。ペルソナ・マーケティングって。
一人だけとか、ごく僅かなお客様像を作り込んで、その方だけに向けたいろんな方策をするって方法。教えてもらったことあります。
本気でやるとしたら、かなりの覚悟がいるんでしょうね。

さて、話はそれましたが、今回も、なかなか前に進まない様子ですが、それで良いんです。それが良いんです。
レザーを切り始まったら、元に戻せないですから。

お客様と一緒に、細かなデザインや仕様を一つひとつを確認しながら、本物を作るための予行練習をしているのかも知れません。

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2013年11月10日(第二部) やらしい話ですよ…

オーダーメイドのキーケース。型紙と試作品の写真です。
オーダーメイドのキーケース。型紙と試作品

やらしい話ですよ…売れる。

昨日は、アイデアがとっちらかって、もう無茶苦茶になって「わーっわーっ」って感じでした。
「わーっわーっ」って。どうすんだこれって。そして散歩。

オーダーメイドのキーケースです。
左がコピー用紙の試作品、右が型紙。

中に鍵を納めて、半分に折って、スナップボタンでパチンと留めます。

鍵を閉める。
手首のスナップを利かせて内側に鍵を移動。
片手でスナップを留める―――

その使用スタイルが浮かんだ一瞬に、アイデアがギュッと集約されました。

外のナチュラルレザーは厚めにして、中の金属の影響で凸凹が出来ないように。
内側はブラウンのレザーで、細かな傷が目立たないように。
小品ながら、折り曲げる場所のシワが寄り難い貼り合わせ方で。
上下の曲線は“Your Side Door”でいつも使っているものをアレンジして…

今夜、もう少し作り進みたかったのですが、そこは我慢です。
最初に言った「売れる」って言葉。
愛されると言った方が、しっくりくるかも知れません。