カテゴリー
ブログ

2014年10月2日 「来ちゃった」っていうアレ

色を入れた瞬間の表情
色を入れた瞬間の表情

一瞬の表情です。
染めるための色を入れた瞬間。
手元の実物は、もう別の姿をしております。

例えるならアレですよ。
雨の中を傘もささずにやって来た女性が、玄関を開けるとはにかみながら「来ちゃった」って言うときのアレみたいなものです。

上手くいけば恋愛ドラマの一発逆転になるかも知れません。
ところがどっこいしょ。心から迷惑がられるというリスクも伴います。

凸凹のさ、凹んだ部分が異様に艶やかだからでしょうか。
異様さもあります。
お客さまは見ることの無い姿です。

カテゴリー
ブログ

2014年9月13日 隠し味

打刻の凹部分に染料を入れます
打刻の凹部分に染料を入れます

削っては磨き削っては磨き。
下ごしらえはその繰り返しです。ずっとお見せしても正直飽きるかな?
…ということで、今日は嗜好を変えて、染色の様子です。

打刻の窪みに赤い染料を入れまして。まだ艶があって分かりやすいですね。
乾くとかなり分かりにくくなります。
そりゃあ、焦げ茶に赤ですからね。隠し味みたいなもので。

でも気付く方はおりまして。
1年くらい前のイベントのときですね。
手に取って「これ、色が入ってる…」と。

飲み屋のカウンターみたいな感じかな。
「んっ、出汁かえたね、大将?」
「分かりやすか?流石ですね旦那」
…みたいな。

カテゴリー
ブログ

2014年5月19日(第二部) 黒色のレザーの表情

光の加減による黒色の表情の違い(レザー蝶番の名刺入れ)
光の加減による黒色の表情の違い(レザー蝶番の名刺入れ)

さてこちらは、名刺入れ作り会場の模様です。

いつもより早いですね。
やっぱり、陽射しが半分あたってるくらいで撮れば、いろいろな表情が良く分かるんじゃないかと思いまして。黒色のレザーの。

黒といっても、光の加減でいろんな見え方しますね。いつまででも見てられます。
なので、言葉で簡単に伝えるのは難しいのかも。
艶やかと言えば艶やか。でも、艶は控えめの方ですよ。
もっと光り輝きたければ、オイル多めに磨き上げるという手もあります。
そうなんです。僕らは基本的には自由なんです。

さて、話はそれましたが、後ほど型で成形することになるパーツを優先して進めています。
先に取りかかって、完成するのは最後になる方です。
ウサギは途中で眠るので、どんどん進んでもらわないと。

カテゴリー
ブログ

2014年5月18日(第二部) ミエナイチカラ

芯通しの染色の黒(レザー蝶番の名刺入れ)
芯通しの染色の黒(レザー蝶番の名刺入れ)

「あっ」って思うかもしれませんよ。
今夜のレザーの傷の話を聞いたら。
「あっ、ひょっとしてアレがそうだったかも…」なんて。

さて、写ってるのは黒色のレザーですね。
裁断しているとこで、蝶番になる穴を開けてます。

ところで、どんなに大事にしてても、傷つけることはありますよね。
レザーの話ですよ。

ちょっとした傷なのに、ベージュっぽいレザー本来の色が出て来ちゃったことはありゃしませんか。
目立つので、いっそのこと似た色のペンでチョンチョンって塗ってみたりして。
「あー、ちょっと目立たなくなったかなー」なんつって。
一方で、同じくらい傷ついたんだけど、そんなに気にならないことはありませんでしたか。

それは、ひょっとしたらレザーの染色の違いかも知れません。
表面を塗ったものと、染料を深く染み込ませたものの違いですね。
深くまで染み込ませたものを “芯通し” と言いまして、傷が目立ちにくいんです。

それで、色付きのレザーは全て芯通ししたものを使っているんですよ。
もちろん、私の作る物に色のバリエーションが少ない言い訳でもあるかも知れません。

カテゴリー
ブログ

2014年1月16日 秘すれば華なんていいますけどね

打刻面の染色(オーダーメイドのA4ノートカバー)
打刻面の染色(オーダーメイドのA4ノートカバー)

染めたばかりのレザー。
目立たない、隠し味のような赤です。
オーダーメイドのノートカバー用のパーツですよー。

乾くまでは、鮮やかなので目立ちます。
それに、乾いた後でも陽の光の中の方が分かりやすいです。

大切なことこそ隠す。
分かっていて隠すことを選んでるなら良いと思う。
秘すれば華なんていいますし。
もったいないのは、隠したくないのに隠しちゃうことだと思う。

それでも、秘めたものに気付ける方は確かにいます。五感が鋭い人ねー。
こないだのイベントでも、この染色に気付いた方がおりました。
そういう人に会えるのもいいもので。

カテゴリー
ブログ

2013年12月26日 隠し味のスピード

打刻の凹み部分の染色
打刻の凹み部分の染色

136秒、実測。
打刻面の染色に掛かった時間です。

…いや~っ、普通こんなことしないんですが、ふとどの位なのかって思って測ってみました。
子供のような好奇心です。

凹凸の、凹んだとこにだけ色を入れております。
そもそもね、この染色は隠し味みたいなものでして。写真では伝わらないかもしれません。
カルガモだかオルガンだかいう香辛料を使ったっていう唐揚げを食べましてね、すっごく美味しかったんですけど、香辛料についてはよく分からなかったです。
そんでもって後日、香辛料の入ってないのを食べた時にキュピーンと来ました。全然違うって。
そのくらいの差。

  1. まず、粘度が高めでレザーに染み込みにくくした染料を塗ります。
  2. ブラシでレザーの凹んだ部分に染料を行き渡らせます。
  3. 凸部の染料だけを拭き取ります。

…こんな感じです。
染み込みにくくしてても、液は着々とレザーに染み込みますので、スピード勝負。

136秒…計ったはいいけど、早いのか遅いのか。

カテゴリー
ブログ

2013年12月2日 ほんとにちっちゃい差なのかな

赤に染めたコーヒーブラウンのレザー
赤に染めたコーヒーブラウンのレザー

どんなふうにしたら個性が活きるのか。
…最初に、打刻したコーヒーブラウンのレザーを赤く染めたとき、この染色をこんなにも繰り返すとは思いませんでした。

目立たないんですよ、赤色が。
染めていないものと比べれば、何かが違うことは分かるんですけども。
写真をカラー印刷した時の、黒のインクだけのと三色のインクで作った黒の違いみたいな。
この写真も、かなり目立つ角度で撮ってます。

個性を活かせるかどうかは、ほんとにちっちゃい差なのかな。