カテゴリー
ブログ

2014年9月9日(第二部) 冒険、ふたたび

打刻する飾りパーツの一覧
打刻する飾りパーツの一覧

「売れなくても良い」
そう思いながら作ったものがあります。
やむにやまれぬ情動に突き動かされるように。

…呆気ない早さで買い手が付いて、嬉しさと寂しさの両方を感じながら手放して1年…
ずっと売切れのまま、ほったらかし。
ひょっとしたら、自分の手元に置いて愛でていたかったのかも知れません。
「受注生産」に書き換える気も起きませんでした。

その品を、再び作る機会に恵まれる日が来るとは…
ちょっとした奇跡じゃないですかね。

さあ、再販希望をいただきました「蝶番のレザーブックカバー・ぼうけんのしょ1スタイル」。

♪チャッチャチャーチャーチャーチャーチャーチャー
 チャッチャチャーッチャ
 チャチャチャチャーチャー

カテゴリー
ブログ

2014年6月2日 レザーの表情の、ここだけの話…

傷やシワが極端に少ない一品
傷やシワが極端に少ない一品

オーダーメイドの制作が一巡しまして。
今日は、ちょっとのんびりです。
実は昼間、ちょっとぐったりしてまして。

…さて今日は、ただ今販売中の蝶番のレザーブックカバーの、ここだけの話です。
いつもよもやま話にお付き合いいただけてる方だけに、たまにはこういうのも良いかなって。

レザーのきめ細かさでは、これまでで一番だと思います。
幾つも作ってきましたけれど、こんなにも生前のシワや傷が無いものは無かったです。
ベンズという牛の背中のレザーの中でも、そういう場所だったわけですねー。
生きていた名残の味わいを愛する私が、こういう話をするのも珍しいんじゃないですかね。

どちらが優れているとは言い切れません。
でももし、今回のような条件で作る依頼があれば、お応えできるか分かりません。
そこが一点物の面白さでもありまして。

ところで、昼間ね、クロネコ便のお店まで歩いて行って来たんです。
「干からびる」って思いましたね。太陽の神様がご乱心じゃーって。それで、少しぐったりしてました。
どうぞ、ご無理なされずに。

カテゴリー
ブログ

2014年5月11日 可愛いのも良いと思う

手縫い前の名刺入れとブックカバー
手縫い前の名刺入れとブックカバー

なんとも可愛らしい、縫う前って。
まるであれですよ、プラスチックのおもちゃみたい。

名刺入れもブックカバーも、接着が終わったとこです。
そうそう。可愛いのもいいよねって思うわけです。
以前、オーダーメイドでかなり個性的なステッチを使ってから、たびたび思うわけです。
ただねー、強度との兼ね合いが引っ掛かってまして…

今回は普通に作ろうと思います。
お待ちの方もおられますし。

でもね、そんな考えが浮かんでしばらくすると、なにげなくギャラリーに並んでいるのが常なのですが、それはまた別のお話…

カテゴリー
ブログ

2014年4月26日 完成。ベリーで作る蝶番のレザーブックカバー

ベリーによる蝶番のレザーブックカバー(黄丹スタイル)
ベリーによる蝶番のレザーブックカバー(黄丹スタイル)

完成です。
ベリーで作った蝶番のレザーブックカバー。
なかなかどうして、きっちり仕上がったと思います。
結局、ヤスリと磨きを4回繰り返したところもあります。

「パパラギ」(178ページ)と「天使がいた三十日」(285ページ)の2冊を挟んで撮りました。
背表紙のすぐ近くに細いベルトを取り付けてありまして。
2冊を片側だけ差し込むときに、しっかり留めるためのベルトです。
ひょっとしたら、厚みを半分にしたバージョンもいいかも。

表紙の古傷も堂々としたもので。
まだ見ぬ持ち主に愛されて、ボロになるまで大切に使っていただけたら幸せですね。

カテゴリー
ブログ

2014年4月25日 向き不向きを決めるのは誰でしょね

切断面の磨き。上が一回、下が二回。
切断面の磨き。上が一回、下が二回。

世間で言うとこの才能とか、あてになりゃしませんぜ。
そんなことを言うためであったり無かったりしますけど、ここしばらくベリーというレザーの加工をお伝えして来ました。

ベリーで作るブックカバーも、さて最後の仕上げに入ろうってとこです。
断面の磨き上げについて。
上が1回目、下が2回目です。
写真で仕上がりの違いが伝わるでしょうか。
毛羽立ってまとまりにくいベリーでも、そこそこの艶もでるもので。

そもそもベリーって表面がデコボコしてたりするので、好かない人もいます。
キメの細かい背中を「ベンズ」と言いまして、そこだけを売ってたりもします。
ベンズはね、きめ細かくて強いです。
それでさ、解説書を開けば、ベルト用のレザーを取るのはベンズと書いてあります。常識として。

ところがどっこいしょ。ベリーで作ったベルトに出会ったことがありまして。
表面が波打つようにボコボコしてて、それを丁寧に仕上げてあって。
なんていうかね、惚れましたね。
イタリア製だと知って、やっぱさー、イタリア人はお洒落だねつって、妙な納得。

さてブックカバーは、もうちょっとで完成ですよ。

カテゴリー
ブログ

2014年4月24日 蝶番の歯の内側の仕上げ

蝶番の歯の内側の仕上げ
蝶番の歯の内側の仕上げ

磨くとピシャッと引き締まる感じしますね。
蝶番の歯の内側を染色して磨いて仕上げます。

細かくて面倒そうだと思われるかも知れませんが、かなり面倒です。
でもね、こういうの大好きなんですよ。

幼い頃は、機関車の車輪まわりとか、半分が内側のメカになってるガンプラとか、時間になるとフタが開いて人形が踊る時計とか、たまらなく心惹かれまして。
思えばね、好みってバッチリ表れるものですねー。

そういえば、絵を描かせて心の問題を発見したりする治療?ってあるでしょう。
何かを作ったりすると、隠すことのほうが難しいのかも知れませんね。

カテゴリー
ブログ

2014年4月23日 蝶番の歯の削り出し

蝶番の歯のヤスリ掛け前後
蝶番の歯のヤスリ掛け前後

今日の那須は暖かです。
春の気温は変わりやすいもので。

さて、蝶番の歯をヤスリで削り出しています。
ここでも、ベリーの特徴が出ます。
繊維が緩いので、そーっと削っていきます。

それで、下が削った後です。
なかなか綺麗になるものでしょう。
もう少し細かいヤスリで調整したら、仕上げに入れます。

軽くて軟らかい、優しい肌触りのブックカバーになりますよ。