カテゴリー
ブログ

2014年4月22日 古傷の記憶

蝶番のレザーブックカバーの縫い上がり
蝶番のレザーブックカバーの縫い上がり

縫い上がりです。
それでもって、今夜撮った一枚の方が、レザーの古傷が良く分かりそう。

実は三日前くらいから体の調子が悪くて。
わけあって体力を使い過ぎた後のことです。

食べ物を飲み込むのが苦しくて。
うまく喋れなかったんです。
意識を集中しないと、ちゃんと歩けないし。
心と体はつながっているから、考えや思いもかなり影響を受けたはず…
こういう症状って、あれですよね、自律神経か、脳かってとこですよね。
もし、大人しくおしゃんこらしてても悪化するなら病院だなぁって考えました。嫌ですけど。

でも良かったです。
まず、喋ることと歩くことで治っているのが分かります。
美味しいたい焼きをもらいまして、食べるのも大丈夫そうって感じまして。

それにね、この感覚は良く知ってるんです。
もし、病気になったら、五感で得られることをよくよく覚えておくとよいって教えてもらったことがありまして。
その記憶からすると、十段階評価で言えば5?くらい?、なんちゃないっつって。

カテゴリー
ブログ

2014年4月21日 大切なのは、人と意見のどちらかね?

手縫いのステッチライン
手縫いのステッチライン

写っている手縫いのステッチは、2か所だけ荒れています。
大丈夫かな?ばれちゃうかな?

なんつって、じっくり見られたら、そりゃ気付かれてしまうと思うんですよね。
レザーを重ねた端っこの強度を上げるために、2重に縫ってますからね…

ばれたとしても…
ここまで細かい仕込みは、昔は興味がありませんでした。
個性的で自分を表現できるデザインを完成させるってことを優先しまして。

だいたい、人の意見に流されたらなんにも出来ないでしょう?
人生、どんな生き方をしても叩かれる。
勇気を出せば「謙虚さが無い」と言われ、自分を殺せば「覇気が無い」。
なんて、どこまでもやりこめられるだけ…

な~んちゃって。
そんな二者択一じゃ無いですね、人生。
縫い穴の数から逆算して型紙を作り直すことで、かなり自然にできるはず。
実は流れが違うステッチまで、自然に仕立てられれば最高ですな。

ちなみにこの工夫は、私の作るものを認めてくれた方のアドバイスによって行っております。
意見を聞く相手を見る目っていうのも、あるのかも。なんつってね。

カテゴリー
ブログ

2014年4月20日 2ミリ増量

接着が済んだ蝶番のレザーブックカバー
接着が済んだ蝶番のレザーブックカバー

誰でも好きなものってあると思うんです。
怒られても隠れてでもしちゃうようなことって。
もうね、やる気を出すとか出さないなんてレベルではないことですよ。

さて、このブックカバー作りの様子は、前にもお見せしましたよね。
それでね、今回はレザーの特徴が伝わる写真を撮るだけでいいかと思ったんです。

でもちょっと、気が変わりまして。
今回も、完成するまでお見せしていこうと思いまーす。

内側。接着が終わってます。
これでもう、どんなの作ってるのか想像してもらえるんじゃないですかねー。
またちょっとだけ工夫しましたよ。補助ベルトの幅を2ミリ増やしてます。
より、ステッチが綺麗に仕上がるともくろんでおります。

カテゴリー
ブログ

2014年4月19日 傷痕が語るもの

ベリーの表側
ベリーの表側

ようやく表。
今週は横とか裏とかのことばっかり言いましたね。
で、土曜日になってようやく表です。

加工途中のベリーの表を撮りました。
シワとか筋が多いですね~。ベリーの特徴です。
中でも特に目立つのは、右側の真ん中あたり。横一の字の跡は生きていた頃の傷ですね。
裏側から触るだけでも他との違いが分かる程です。
2ミリ厚にすいたレザーなので、深い傷だったのでしょうね。痛かったと思います。

そういうものを材料に使っていると思うと、いろいろと感じるところがあります。
それでね、こういうことを考えるときはいつも、ネイティブアメリカンが、鹿の腱をより合わせて糸を作っていたという話を思い出します。
大切にするとはどういうことか、とか。
カップ麺とかコンビニ弁当ばっかり食べてると、忘れそうになることに近いかなぁ。
そして、レザーの傷痕から感じることは、さて人それぞれで良いんだと思うんですよ。

カテゴリー
ブログ

2014年4月18日 本当は力があるのに素直じゃ無い

床(とこ)磨きの前後
床(とこ)磨きの前後

引き続き、ベリーについてちょっとだけ。
念のためですが、ベリーというのは牛のお腹のレザーのことで、繊維が緩めなのが特徴です。

そして今日は、毛羽立ったレザーの裏側を磨いています。
床(とこ)の仕上げといいます。

ヘラで水溶性の樹脂を広げて、ガラス板などで磨きます。塩梅を見ながら。
すると目が詰まって、上等な雰囲気が出てきたと思いませんか。
あれっ?そんな風に言うと、何か誤魔化してるように感じるかも知れませんね。

いやいやいやいや。
断じてそういうことじゃないんです。
真剣に相手しているんです。本当は力があるのに素直じゃ無い素材を。

カテゴリー
ブログ

2014年4月17日 牛のお腹のレザーの続き

ベリーの裁断面の加工
ベリーの裁断面の加工

写真がね、もっとうまくなりたいな。
最近よく思います。

それはさておき、昨日の続きです。
毛羽立ちが多い牛のお腹のレザーの加工。ちなみにベリーと呼ばれる部位です。

一番上が、裁断して角を落としたもの。
真ん中は、切断面ヤスリを掛けて、アクリル溶剤を染み込ませて磨いたもの。
そして下のは、もう一度ヤスリを掛けて磨いたもの。

違い、伝わりますかねー。
うーん。分かりにくいかなぁ。

キメの細かい背中の部分のレザーだと、一回磨くだけで一番下のよりも綺麗に仕上がるんですよ。
能力の差といいますか、才能の差といいますか。

カテゴリー
ブログ

2014年4月16日 どんな基準が好きですか

ベリー(牛の腹部のレザー)の裏側
ベリー(牛の腹部のレザー)の裏側

ガサガサに毛羽立ってるの、伝わるでしょうか。
牛のお腹のレザーの裏です。特徴が際だってます。

繊維が緩いうえ、整ってません。

ちょうど、断面を半分くらいまでヤスリ掛けしたとこです。
素直じゃ無いからって、粗いヤスリでゴリゴリしちゃダメですね。
そしたら、全部が削りカスになるかも。

そ~っとそ~っと。
最初から繊細なヤスリで形を整えるように進めます。
作りやすさで言えば、正直なとこ、背中の部分より劣ります。それも、かなり。

ただ、基準を好き嫌いに変えると、逆になる不思議。これいかに。