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2013年12月29日 しっかりとうっかりは一字違いだし

側面の仕上げ(オーダーメイドの名刺入れ)
側面の仕上げ(オーダーメイドの名刺入れ)

さあ仕上げ。
側面をヤスリ掛けしていきます。

このオーダーメイドの名刺入れは、繊維がきめ細かく整った牛の背中の部分を使ってます。
そんでもって、接着剤は薄くて弱めのものを、さらに薄めて貼ってるんです。
すると、まだ染めても磨いてもいないのに、滑らかーになります。

接着剤ね…うん、接着剤。
ビギナー向けのハウツー本とかだと「ここで、しっかり接着する」とか書いてあります。
難しいですね「しっかり」って。
まず、人によって違いますよね。「しっかり」は。
「うっかり」と一字違いだし。

接着の役割はほんとに分かりやすいんです。
縫い終わるまでくっついていてくれること。
なので「縫い終わるまでしっかりくっついているよう接着する」が良いのかな?

いやいや、余計に人を惑わす善意のアドバイスみたいになってますね。

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2013年12月28日 活きていますかね、もともと持っている才能

通常版とオーダー版のレザー蝶番の名刺入れ
通常版とオーダー版のレザー蝶番の名刺入れ

ぽかぽか陽気の那須…頭もぽっかぽか。
いやーっ、夜は底冷えだったので、幸せー。

さて、オーダーメイドの名刺入れについて。
通常の“レザー蝶番の名刺入れ”と並べています。
ほぼ同時に作っていて、いわば双子。出来上がり具合はすこしずれてます。

ただし、左側の通常版も、今回はちょっといつもと違うんです。
ベリーと呼ばれる牛のお腹の部分のレザーを使っています。

この部分は、シワとかムラが多くて、繊維の流れも整って無いんです。
比べると強度が弱いから、ベルトとか鞄には向かないです。
細かい成形もしにくいので、アクセサリーも難しいですね。
打刻はまず無理です。シワが悪さをしちゃってね。
なので、今回の名刺入れは、少し無理してっかも知れません。
…使い道は、あんまり複雑で無い小物くらいかなー。

ただ、うまいこと作れれば、もともと持っている才能が活きてくるんです、これが。

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2013年12月27日 おいしそうな色だと感じませんか

コーヒーブラウンのレザーと黄丹色の糸
コーヒーブラウンのレザーと黄丹色の糸

おいしそうな色の組合わせだと思いませんか。
このね、レザーの濃い茶色と、糸の黄丹(おうに)色。
ここまで出来ると、もう直観的に、お洒落で可愛い出来になりそうでしょう。

さて、もう手縫いが始まっております。
オーダーメイドのレザー蝶番の名刺入れ。

左奥に写ってる片面は裁断しただけでほったかして、片面だけどんどん進めます。
こっち側は、縫った後に水を入れての成形があるので。

そしてやっぱね、直観は大切だと思うんです。
くたびれちゃってるときとかは、動きにくくなるけれど。

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2013年12月26日 隠し味のスピード

打刻の凹み部分の染色
打刻の凹み部分の染色

136秒、実測。
打刻面の染色に掛かった時間です。

…いや~っ、普通こんなことしないんですが、ふとどの位なのかって思って測ってみました。
子供のような好奇心です。

凹凸の、凹んだとこにだけ色を入れております。
そもそもね、この染色は隠し味みたいなものでして。写真では伝わらないかもしれません。
カルガモだかオルガンだかいう香辛料を使ったっていう唐揚げを食べましてね、すっごく美味しかったんですけど、香辛料についてはよく分からなかったです。
そんでもって後日、香辛料の入ってないのを食べた時にキュピーンと来ました。全然違うって。
そのくらいの差。

  1. まず、粘度が高めでレザーに染み込みにくくした染料を塗ります。
  2. ブラシでレザーの凹んだ部分に染料を行き渡らせます。
  3. 凸部の染料だけを拭き取ります。

…こんな感じです。
染み込みにくくしてても、液は着々とレザーに染み込みますので、スピード勝負。

136秒…計ったはいいけど、早いのか遅いのか。

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2013年12月25日 打刻の名はアローヘッド

ハートマークが交互に並ぶように見える
ハートマークが交互に並ぶように見える

ハートのようなマーク、伝わるでしょうか。
列ごとに、上下の向きを互い違いにしながら。

久しぶりに手掛ける打刻で、アローヘッドと呼ばれています。
ちょいとばかり手強いです。
こないだのイベント会場でいただきました、蝶番の名刺入れのセミオーダーなんですよー。

木槌で叩く刻印の先端は、7mm×4mmです。たった今、ノギスで測ってみました。
それを、ちょっとずつずらして打ちます。
そして、縁の仕上げには、もう2種類の刻印を叩いていきます。

めっちゃ細かいことしてると思いますかねー。
ところが、こういうのを作っているときの気分は、不思議とのびのび大らかでして。

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2013年11月28日 (第二部) やっぱ心地よいのは身の丈

完成したレザー蝶番の名刺入れ
完成したレザー蝶番の名刺入れ

一日二回。昼と夜。
こうやってね、よもやま話が8割くらいのお話を続けてきましたが…
明日からは、また一日一回になると思うんですよ。
そんぐらいが丁度よい。身の丈に合ってる、うん。

さて、夜も更けて参りまして、レザー蝶番の名刺入れ、完成しましたー。
こーれカッコイイと思うんですよね。そして可愛くもある。もうね自画自賛です。

やっぱねー、身の丈に合うって大切だと思うんですよ。
背伸びとか、小さすぎるサイズとか、ついついしちゃう。人間だもの。
でもね、やっぱ心地よいのは身の丈。
…たまには、すっげー頑張って背伸びしてみるのも、それはそれで楽しいんですけどねー。フンフン♪なんつって鼻歌うたいながら。

あっ、名刺入れは先に注文をいただいての制作でしたので、ショップではもう少し売り切れで失礼いたします。

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2013年11月25日 (第二部) くりかえし繰り返しやってみて気付くこと

レザー蝶番の名刺入れのパーツ
レザー蝶番の名刺入れのパーツ

くりかえし繰り返しやってみるって、大事ですね。

こちらは、レザー蝶番の名刺入れ。
パーツごとの下ごしらえが進んでいます。

レザーで蝶番を作るのは、かなり手慣れてまいりまして。
最初はねー、やぶにらみで作り始めたもんですけどねー。
「でっきるっかなでっきるっかな」つって。

びくびくしながらでも、いろいろ試しながら繰り返してるうちに、ふっと気付くんですかね。
あっ、このやり方だって。これならいけるっつって。

レザーの蝶番の作り方なんて、ささやかなことですけど。
まこと生き難い世の楽しみ方も、ひょっとしたら、そんなとこなのかも知れないなー。なんてね。