完成で～す。
一ポケットのシンプルなパスケースっで～す。
特に「こうだ～っ」って主張は無い品です。
ヌメ革の性質に添った打刻と手縫いの慎ましい一品ですよ。
さて、普段のショッピングでヌメ革の品を見かけることは殆ど無いわけです。
それは何故か？
ヌメ革はどんどん日焼けします。
触れれば手の平の僅かな油分も吸い込みます。
それが経年変化の楽しみにつながるのですが…
そりゃねっ、お店では見かけないわけです。
作り手としてはね、どんどん閉まっちゃいますよ。
閉まっちゃうおじさんです。
ふかふかの綿のタオルに包みまして。
真っ暗な戸棚に閉まってしまいます。
本当の持ち主に見つけてもらえるまで。
なんか眠り姫みたいだね。
肌寒くなったもんですね。
夢工場には南と西に大きな窓がありましてね。
ぬくぬくの陽だまりです。
ほんと、拝む気持ち分かるわ～。
そんな陽だまりで作るパスケースもあとちょいです。
ちょっくら寄り道あったね～。
作り直しがね～。
でもトンテンカンテン穴あけて。
もうすぐ完成です。
先にヤスリ掛けを済ませちゃったもんでさ。
ステッチが際立つよきっと。
良い雰囲気だな～って思うけど、どっすかね。
陶芸家って、焼き物を叩き割るイメージある。
「ちがーうっ」ガシャーンッて。
アレ、どうしてなんだろうね。
さて、ウキウキしながらパスケース作ってたんですけど。
どうしても納得がいきませんで。
ポケットをこさえ直しておりますよ。
つってもさ。
いつもの革の床（トコ：裏面）磨きです。
薄～くパックみたいに樹脂を塗りまして。
「染み込みしみこむ」って言いながら磨く儀式です。
時間は掛かっちゃうけども。
ときには引き返すのも大切だと思うんですよ。
…試し打ちしたのが一枚あまってます。
ほらっ、昨日までの名刺入れ作りでこさえた一枚です。
なかなか良く打ててるんですけども…
コレ、ほったかしたらもったいないオバケ出ますね。
せっかく心を込めて作ったお惣菜をちょっとずつ残すようなものです。
家庭の不和の原因です。残念。
でもさ～。
ちょっくら歳もとって来っとさ。
そのひと口が入らなかったりするもんで。
だもんでね。
ちょっと材料を足しまして。
パスケースに仕立ててゆきたいと思いま～す。
余ったお総菜のリメイク料理みたいなアレねっ。
もちろんさっ、洒落た感じになると思うんですよ～。
完成っで～す。
オーダーメイドのパスケース “ネコパス” で～すよ。
仕上げにちょっとした難関がありましてね。
端の切り口を濃い茶色に染めるとこです。
裏側の染めてないヌメの方に垂れると、もう直すことは出来ません。
だもんで教科書的には「厚塗り注意」とされております。
ところがどっこいしょ。
繰り返し作ってるといいかげん気付きます。
初手でたっぷり染み込ませると、綺麗～に仕上がることに。
だもんで、表面張力でプルプルするくらい盛りまして。
ネコだけに「なめんなよ～っ」って。
アレですよ。
なめネコ免許証*の有効期限は「なめられたら無効」ですからね。
（*80年代に流行ったコスプレ猫。学生服を着せるなど無茶していました）
そんなこんなもありまして…
うんっ、良い出来栄えじゃないでしょうか。
楽しく作らせて頂きました。
ご依頼ありがとうございました。
今宵も更けて参りましたね。
今日はバタバタしましてね。
いえいえっ、忙しいっぷりじゃないですよ。
さて、縫い上がっております。
オーダーメイドのパスケース作りの続きです。
ネコちゃんが、ぽ～んっと認めを押してくれたみたいでしょ。
夜も更けて参りましたね。
土曜の夜さ、連れ出してあげる…な～んてのが、流行ってた頃もありまして。
こちら夢工場では、作りかけを見ながらクダを巻く時間となりました。
はいっ、オーダーメイドのパスケース作りの続きですよ～。
全てのパーツが一つになって、手縫いの準備が出来ました。
ネコちゃんはオリオンを見上げてるでしょうか。
この季節だっくれさ、見上げればありますな。
いやいやいやいやっ、星座に詳しいようなロマンティストではないんですよ。
でもさっ、このパスケースにはオリオンが良いかなと思うのです。
騙されて恋人のオリオンを射殺してしまう月の女神。
復讐の鬼と化した狩人の英雄。
盲目の両親に尽くす親孝行な若者。
そんな、いろんな物語がありまして。
まるで人生みたいでしょ。
いろんなときがありまして。