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2013年11月2日 「なに?お前、別のモノになりたかったの?ミュージシャン?」

本体部分の完成(オーダーメイドの手帳カバー)
本体部分の完成(オーダーメイドの手帳カバー)

残すはベルトのみとなりました。
オーダーメイドの手帳カバーです。

しっかし手強かった。蝶番のとこ。
「なに?お前、別のモノになりたかったの?ミュージシャン?」みたいな。
いっそのことね、革ジャンのポケットに金を押し込んで出て行かれる寸前だったみたいな。革だけに。
これまでで、こんなに蝶番になりたがらないのに出会うと思いませんでした。

さて、作りながら、すっげーものになると感じておりました。われながら。
「あー、すっげーなーこれ。欲しー」って。
やっぱりねー、お客様のアイデアがあってこそですよ。
無理言ってごめんなさいって何度もおっしゃって頂きましたが、大切なんです。
ワクワクするようなアイデアが。

さあ、最後のベルトです。
実はここにも、縫うだけではない一工夫があるんですねー。

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2013年11月1日 本体の最後のパーツに入りまして

本体の最後のパーツのベルトループ
本体の最後のパーツのベルトループ

左から右へ作り続けてきた手帳カバー。
右側につながる蝶番が無いパーツまで来ました。
小口側のフタです。

写してるのは、ベルトループの縫い穴を開けているとこですねー。
このパーツは繊細すぎて、悪魔のフォークのような菱目打ちという道具は使えません。
目打ちを二本。
先端が針になっているのと、両刃の剣になっている二本で。言うなれば二刀流で。

いつもの制作に比べて、かなり長く携わってきました。
もう治ってはおりますが、風邪が良くなったり悪くなったり繰り返してて、お腹をこわしがちな日が続いたせいか、集中力は落ちていると思います。

ここはひとつ、トランプタワーの最上階をのせる慎重さでいきたいとこです。

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2013年10月31日 これもスモールステップの法則ですかね

裏側の表紙(オーダーメイドの手帳カバー)
裏側の表紙(オーダーメイドの手帳カバー)

実現できるかどうか分からない。
最初は、確かにそんなオーダーメイドのお話でした。
裏側の表紙作りまでたどり着きましたねー。
スモールステップの法則ですかね。

普通の手帳カバーなら、これが出来上がれば完成ですね。
でもね、今回は右側にも蝶番が付いてます。
ペンホルダー付きのフタがつながる予定です。

さて、良い感じに西日が入ってきて撮ったのですが、赤色が被ってますね。
うーん、悪くは無いかな。

風邪をぶり返してしまって、午前中はまるっと寝てまして。
あまり進んでないですけど、慌てずに。

そう言えば…
好きなものを作っても、買ってくれる人なんているのかね?
なんて、半信半疑で作ってた頃まで思い出しました。寝てるときね。

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2013年10月30日 「トト…私たちもう、那須塩原じゃないとこにいるみたい」

背表紙の完成(オーダーメイドの手帳カバー)
背表紙の完成(オーダーメイドの手帳カバー)

急に降りだした空に、日の光がさして、那須はキツネの嫁入りです。
犬とカラスたちが異様に吠え続けていて、ちょっと神秘的。
ドロシーの世界とか、似合うかも知れませんね。

「トト…私たちもう、那須塩原じゃないとこにいるみたい」なんつって。

さて、寝言はさておき背表紙も完成しています。
オーダーメイドの手帳カバーです。

右側の表紙部分も、パーツの下ごしらえはバッチリですね。
…ところが、三連のカード入れのついたポケットは、先ほど完成したんです。
「当分、俺たちの出番こねーなーっ、ちょれーちょれーっ」
なんつって薄らぼんやりしていたわけですよ、きっと。
そしたら「あわわわわわわわ~っ」って。

三連のカード入れの口は、鍋型にカットしました。
紙の試作品にカードを入れてみた時に、カードとピッタリサイズだったのですけどね。
そうすると、カードを抜く時に裏のポケットの口までつまんでしまってましたので。
これで、大丈夫です。

だんだん、完成も見えて来ました。
ちょっと神秘的な那須塩原で。

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2013年10月29日 段差は無くすのが世の中の流れかな

両端をすいた背表紙用のレザー
両端をすいた背表紙用のレザー

意図的に視点を変えてみるって、習ったことがあります。
自分の視点、相手の視点、第三者の視点、その三人を眺める視点…

気が付くと、まあ良いんじゃないかなーなんて思えたりします。
自分が変にこだわってたこととか、ムキになってたこととか。
なかなか面白いものです。

さて、今日は作り手の目線で撮ってみました。
手帳カバーの背表紙のレザーです。
両端から折りたたんで、両面がレザーの吟面になるように加工していきます。

ところで、上側の端をすいてあるのが分かるでしょうか。
刀の刃みたいになってるの。

すいた両端を重ね合わせると、ちょうど厚みが変わらないまま貼れます。
クロスフェードみたいになってるって言うと伝わるでしょうか。

1mmの厚みのレザーの両端を、幅6mmですきました。
レザーの端から縫い線までは3mmとります。
それで、ちょうどクロスフェードのど真ん中を縫えることになります。

これをやらなければ、段差ができちゃって目立ちます。
やっとくと、使いやすいです。
でもね、なかなか自然な見た目なので、気付いてはもらえるってことは無いかも知れませんねー。

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2013年10月28日 ひょんなことで、一気に道が開けるような

手帳カバーの表紙のパーツ
手帳カバーの表紙のパーツ

おーって思いませんでしたか。
すごい進んだねーって。

手帳カバーの表紙にあたるパーツです。
ずーっと、打刻入りの飾りポケットを追っかけて来たので、突然進んだように見えるかもしれません。
でもね、その陰では、他のパーツの下ごしらえをしっかりしていたわけです。
むしろね、他のパーツたちにしたら「待ちくたびれた―」ってなところです。

こういうもの作りではね、突然進んだように見えることは多いです。
ひょっとしたら、他の仕事でも練習の成果でも似たようなとこあるのかも知れません。
なんだか、上達してんのかして無いのか分かんなくなって、キツイなーってときとか。
ひょんなことで、一気に道が開けるようなね。

そのスピード感たるや、もうね、30代後半のお腹まわりか頭皮かっつー勢いですよ。
これでもかーっ、これでもかーっ、みたいな。

ところで、なんで飾りポケットを先に作ることにこだわり続けてきたのか…
それはですね、ポケットの上部とベルトループの上側の縫い線にあります。
この縫い線の裏側を、貼り合わせたレザーの間に隠したい。
ただ、それだけのことなんです。

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2013年10月27日 入口のハードルを越えまして

打刻の飾りポケットの完成
打刻の飾りポケットの完成

この姿を見てもらわずして、先に進んじゃうのはどうかと…

目標を達成したのに慰労会も無いみたいなね。
誰がための勝利みたいな。
そういうことをしていると、だんだん草刈り場みたいになってくわけですよ。
人の心も組織もね。…と、思う。私はね。

そんなわけで、朝から語ります。今日は。

さて、酒場でくだ巻いてるような寝言はさておき、完成しました。
打刻入りの飾りポケットです。
手帳カバーのオーダーメイドの中で、たった一つのパーツとしては、一番、手が掛かりました。
ベルトを通す場所の成形も、伝わりますかね。

しかも、これが完成しないと全く先に進められないのです。
なんにつけても、こういうのは、初心者向けでは無いなんでしょうね、きっと。
入口のハードルが高いってものっていうのは。
良い例えが思いつかないですけど。