フル可動です。
腕時計のレザーベルトと聞いて、これは思い浮かべないでしょう。そういう私も、とあるブレスレットを見て作りたくなったんですけどね。
…問題は、めまいがするほどの手間か…
でも、レザーベルトの仕様の一覧表に「フル可動」と記載する魅力は捨て難い…
フル可動です。
腕時計のレザーベルトと聞いて、これは思い浮かべないでしょう。そういう私も、とあるブレスレットを見て作りたくなったんですけどね。
…問題は、めまいがするほどの手間か…
でも、レザーベルトの仕様の一覧表に「フル可動」と記載する魅力は捨て難い…
引き続き、サル環のようなもの作り続けています。
サルサルサルサル、サルサルサルサル、22個。
そして、環の中に床革(とこがわ)を接着。
床革というのは、レザーを薄手にすいたときに生まれるもので、吟面と呼ばれる美しい表側が無い革。
つまり、両面が裏のレザーです。
すごく安いベルトや靴を買って、しばらく使っていたら表面の膜がはがれるように壊れた経験は無いですか?
床革に、フィルムを貼り付けたフェイクですね、それ。
それにしても、数を作るのは手間が掛かりますが、ここからが楽しい所です。
もう、何になるか気付いたでしょうか。
真鍮のバックルを溶接してきましたが、同時に別のアイテムも制作中です。さて、写真はB会場の様子です。
サル環のようなものを量産しています。合計で22個作成していきます。こちらは、ナチュラルレザーです。
とっても簡単に出来るサル環専用の金具もあるのですが、とある写真を見てからというもの、使う気が無くなりました。
そんなわけで、昔ながらの手縫いで作っていきます。
ところで…細めの糸を使うのは久しぶり。そして、驚くほど縫うのが簡単。
…最近、太めの糸ばかり使ってましたからね。
昨日、溶接した真鍮のバックル。
金属ブラシで磨かれて綺麗になりました。
ちなみに、長さ2cmたらずなので、写真はかなりの接写です。
せっかく綺麗にしたところですが、次は、全体を腐食させてアンティーク感を出していきます。
汚れとエイジングは、別のものです。なんだか大変ですね、人生みたいで。
さて、そうこうするうちに、打刻したレザーが乾いてきて、加工できるようになってきます。
打刻する際は、レザーをたっぷり湿らせますので。
触れてみると、以前より乾くのが早い気がします…いやぁ、夏も近いですなあ。
見た目が悪い方が、良く出来ている方です。
1cm × 2cm たらずの金具。腕時計のレザーベルトに使うバックルです。
写真では、下のバックルは溶接の時の汚れがきつくて見た目が悪いです。
だけど、留め金の根元でクルッと一回りさせて溶接している部分が、本当にピッタリでなんとも美しい。
道中いろいろあった方が面白いですしね。
そして、溶接の汚れはステンレスのブラシで削り落していきます。
まずは、レザーにバスケットスタンプという打刻を。
打刻面のほとんどは一本の刻印で打ちます。そして、打刻の周囲を二種類の刻印を重ねて仕上げます。
そこから生まれるアンティークかつゴシックな雰囲気がたまりません。
さて、心の迷いを残したまま取り掛かっているものの、腕時計の完成形はぼんやりと思い浮かんでします。
ここは一つ楽しんで、ウサギの穴に落ちたつもりで参りましょう。
ずっと置き去りにしてきたもの。
腕時計のベルトの型紙を形にするため、まずはレザーの裁断から制作開始です。
手を付けなかったのは、何か、まだその時期が来ていないような気がしていたからです。
日本の誇る伝説の相場師、本間 宗久(ほんま そうきゅう)翁の言を借りれば、物事をダラダラと先延ばしにすることは良いこと。
そして、人の意見を聞くのは大切だけれど、私にとってこれこそ素晴らしいという魂が無ければ、何も、作る必要など無いでしょう。