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2013年9月3日 目立たぬように、はしゃがぬように…

つなぎ部分の内側(三重巻きブレスレット)
つなぎ部分の内側(三重巻きブレスレット)

目立たぬように、はしゃがぬように…
時代遅れの男になりたい
(by 「時代遅れ」河島英五)

レザーの丸ヒモとベルト部分をつなぐところ。
φ3mmの丸ヒモを二枚重ねのレザーの一枚に縫いつけて焼き止めしました。
*オーダーの三重巻きブレスレット作りの続きです)

上に並んでいる山型のレザーでカバーします。
カバーは、水を入れてあらかじめ成形しておきました。
作業中に余計な力を入れることが多いと、仕上がりが悪くなりますので。

結果、外見上のハンドステッチは、外周だけにします。

この “つなぎ” の一番の狙いは、自然過ぎて気にならないこと。
気になっても、なんでこんなつなぎ方で抜けないんだろうね?くらいの印象になること。
どうなっちゃってんだろうねアイツ。みたいな。

まさに「時代遅れ」の精神。
…そうね。
キャッキャキャッキャ言ってはしゃぐこともあります。
ありますとも。
…そこは「なりたい」ってことでどうぞお一つ。

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2013年9月2日 メッセージをのせたレザーブレスレット

三重巻きブレスレットの材料
三重巻きブレスレットの材料

今日は、真面目にお話します。
三重巻きブレスレットの素材の一覧です。

右下が、以前から販売中の “PIECE” というレザーブレスレット。
ご希望のメッセージをブレスレットにしています。通常は一周のみのブレスです。
さて、今回のメッセージは…

“YOU ARE MY LAMP”

…この品の大切さは、推して知るべきところですね。

伝えたい言葉は文字通り文字になっています。
こちらがやるべきことは、丁寧な始末の美しさを追うことです。

キューブ状の文字と同じレザーを・同じ幅に裁断しました。
工夫することはあっても、メッセージより前に出るようではいけません。
面白い色の糸で使ってみたかったものもあったのですが、これも見送り。
細部の仕上げに専念します。

実は、写真は少し前の物で、もう少し進んでます。
材料を見るだけでも、ひたすら、縫う、磨く、という工程が続くことを想像できるかも知れません。

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2013年9月1日 三重巻きブレスの理想のバックルを求めて

三重巻きブレスレット用のバックル
三重巻きブレスレット用のバックル

なんでもかんでも手間を掛ければいいってわけじゃ無い。

…というわけで、探しました。理想的なバックル。
「惜しいっ。もうちょっと」というのはあるんですけど。見付からないですねー。

あっ、このところ作ってるオーダーメイドの三重巻きのブレスレットの話です。
三重巻きのブレスって、ほら、金具に対してレザーバンドが斜めから入ってくるんですよ。

バックルに通した後のレザーの流れを作りたいのです。
その自然な流れを壊したくないってとこがポイントです。
外側に広がらず、さりとて内側に押し込まず。左右には自由に流れるように。

というわけで、作りましたとも。
オーダーの三重巻きブレスレット用の金具です。

左に写っているのが溶接直後。右が、磨いた後の様子です。
日型のバックルです。漢字の“日”の形だから日型です。
お尻の方を扇状に広げて、一段高くしました。

うーん…
決して派手ではないし。
面白いもの出来たんじゃないですかね?
ちょっとしたチャームポイントになってんじゃないの、これ?
見たことある人いないですよね、この形?
ツルっといらっしゃるかも知れませんけど。そしたら少し残念。

…確かに、なんでもかんでも手間を掛ければいいってわけじゃ無いです。
でもね、無いものは作らないと。

よーし、次は、レザーの文字部分とベルト部分のつなぎ方を工夫です。

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2013年8月31日 強いレザーの丸ヒモを求めて

強化したレザーの丸ヒモ
強化したレザーの丸ヒモ

強度のあるヒモが欲しい。直径3mmの。

そこで、3mmのレザーを縫ってみたり、マクラメ糸を六本編みしてみたりしたんです。
いやー、ダメですね。いやいや、それそのものは良いんですよ、見た目とか、滑りの良さとか。
ただ今回のには向いてないなーって。すべすべじゃないと。
…失敗ばかり。

試作品をお見せした三重巻きレザーブレスレット用です。
昨日のイージーオーダーのブレスですね。本格的に制作してます。

丸ヒモ作りから始めたんですが。
…あっ、渋いでしょ。
普通、市販の丸ヒモで済ませるとこです。
いやーっ、われながら渋いとこから始めますねー。

丸ヒモは、いくらでも売ってます。レザーを細く切って丸く磨いたもの。
それがですね、強度がちょっと心もとない。
いえいえ、まだね、手首を一周させるだけで、華奢な見た目の金具で留めるなら十分なんですよ。
良く出来てます。

でもね、三重巻きのブレスレットにするとなると、ちょっと。
特に、全部丸ヒモならともかく、60cm以上の長さのうち、アルファベットを並べる20cm程の所だけが弱いとなると…

さあっ、そこで覚悟して始めました。
レザーの丸ヒモ強化作戦。

  1. 厚さ1.5ミリまでレザーをすく。
  2. 繊維の流れに沿って幅3ミリに裁断。2枚用意する。
  3. うら側どうしを接着。
  4. 接着面をヤスリ掛けして四角に。
  5. ヘリ落しで角を落とす。
  6. 磨いて丸ヒモの完成。

これで、レザーの最も強い吟面が二重にある丸ヒモが完成です。
残念なことに、見た目では違いが分からない…残念。
いいんです。ここで語れたし。

…さあ次は、金具の準備です。

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2013年8月30日 運命は、運ぶ命と読むらしい

三重巻きレザーブレスレットの試作
三重巻きレザーブレスレットの試作

遠く離れたところで、同じことを感じている…
運命的なものを感じます。

昨日の昼下がりのことです。
以前から販売中のレザーブレスレットを作業台に載せて、腕を組んでいました。

まさにその時、問い合わせのメッセージが入ります。

“売っているレザーブレスレットをカスタマイズ出来ませんか?
盛り込める文字数を増やして―――”

驚いて、もう、すぐに、作業台の様子を撮って送りました。
「同じことを考えていました」と付けて。

そして、写真は試作品です。
レザーブレスレット“PIECE” のパーツを、端切れで作った三重巻きのブレスレットに組合わせたもの。

さあ、新たな展開が始まりましたよー。

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2013年8月27日 長財布も休憩、財布も栄養補給です

完成した長財布も一休み
完成した長財布も一休み

涼しげなそよ風。
つくばいから落ちる水の音。
香ばしい珈琲の香りと甘酸っぱいオレンジピールのケーキ…

休憩ですねー。

昨夜完成した長財布は、オイルが馴染むまでタオルの中でお休み。
写真の真ん中、タオルにくるまって寝ています。
「気に入ってもらえるといいねーっ」なんつって。

作っている時は、折り曲げて縫ったり、刻印を打ったり…
レザーにも負担が掛かります。

そういう時は、やっぱ休まないと。

オイルは、牛の骨から作られたお気に入りを馴染ませてます。
液状で、浸透が良いです。
財布も栄養補給…縁起良さそうでしょ?

さて、明日には、このたび作りました長財布“LINA”の紹介ページを公開しまーす。

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2013年8月26日 チョレーチョレー言ってるうちにサクッと縫い終わる魔法の方法

長財布の最後の手縫い
長財布の最後の手縫い

チョレーチョレー言ってるうちにサクッと縫い終わる魔法の方法。
…そんなものがあると思っていた頃もありました。

無いです。

はい、長財布の作成も大詰め。
19のパーツが全て一つになって、外周を縫っていきます。

写真では、レザーの束の間から糸が出ていますね。こんちはーって。
いかにも、縫うの大変そうです。手も入らないし。

作り方をまったく知らない頃は、どうやるんだろね?って思ってました。
プロ仕様の特別な道具で、チョレーって言いながら出来ちゃうのかなって?

  1. 最も外側のレザーに縫い穴を開ける。
  2. 接着する。
  3. 外側のレザーの縫い穴をガイドに、目打ちで一つずつ縫い穴を貫通させる。
  4. 縫い穴に針を刺し、グイッとすくう様に外側に針を出して縫う。

…と、実際は呆れる手間のかかりっぷり。

そして、この呆れる手間のさ中に、チョレーチョレー口に出してみるのは、まあ、自由。
厳しい時ほど笑っとけ笑っとけ、みたいなもの。