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2014年1月13日 小さな吟面の塊のパーツ

長さ22センチ、幅6ミリのレザーパーツ
長さ22センチ、幅6ミリのレザーパーツ

6枚のレザーを貼り合わせて作ったパーツです。
オーダーメイドのノートカバーで、レポート用紙の重みを支えるストッパーになる予定です。

ノートカバーの中で、このパーツが目立つことは無いと思います。
縁の下の力持ちです。

ところで、このパーツ。一本の針だけで支えても、まったくしなりしません。
素材の特徴ですね。

そうですねー。だいたいレザーの表面から3ミリくらいの深さになると、繊維が粗くなって、密度の違うスポンジみたいになるんです。
指で同じ力で押したときに、凹み具合が場所によって違う感じですかね。

そこで、表面から1ミリの、吟と呼ばれる部分を6枚重ねちゃったわけです。
いっちばんきめ細かい繊維の塊みたいなパーツになりました。
でも軽いんですよ。お箸より軽いです。

針も、真っすぐ真ん中に刺さってる。
まだハードルは残されてますが、きっと、最初の関門は抜けましたね~。

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2014年1月12日 (第二部) 「いや~っ、いい湯だったね~」なんつって

エンボッシングによって現れた “ミチコ” と “団長”
エンボッシングによって現れた “ミチコ” と “団長”

「ミチコさん、団長さん、本番ですよ」なんつって。
本番の三つ折り財布用のレザーに、お二人の姿を浮かび上がらせました。

どうでしょね。
二人とも試作品より可愛らしくなってると思うのですが…
垢ぬけたっていうか、表情が柔らかくなったっていうか。

ご依頼者様からコメントで頂いたイラストとか、紹介いただいたサイトを見まして。
可愛らしくしてるポイントはどこか、良いとこ探ししましてね。

…ところで、この加工をした直後は、レザーはとにかくびしゃびしゃに濡れてます。
言わば、水もしたたるミチコと団長。
「いや~っ、いい湯だったね~」なんつってたりして。

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2014年1月12日 テスト勉強って結局身につかなかったりするもの

特殊な縫い穴を開けていく様子
特殊な縫い穴を開けていく様子

正気の沙汰じゃ無いと言いますか…
幅6ミリで長さが22センチのレザーを6本切り出して、それぞれの真ん中の線に4ミリごとに穴を開けてます。

なぜこんなことしてるのかっていうと、アレです。
最期は全部貼り合わせて縫います。そのね、縫い穴を開けてるんです。
オーダーメイドのノートカバーのパーツの一つに。

うまくいくかどうか分からないので、早めに取り掛かってます。
でもテストじゃないですよ。本番です。
ほらっ、テスト勉強って結局身につかなかったりするでしょう。

「貼ってから開けりゃいいのに?」って思うかも。
確かにそう。
でもねー、良い予感しないんですよ。

そもそも柔らかい素材なので、まず無理だろうなって。
コンニャクを6ミリの棒に切りだして、4ミリ毎に穴を開けてくのって、難しそうでしょう。

それにさっ、一念岩も通すと言いますからね。革だけど。
これが上手くいったら、とても手縫いには見えないんじゃないかな。
さては、そういう機械があるでしょ?みたいな。
「オーゥ・メード・イン・ジャパン・スゴイネー」つって。

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2014年1月11日 (第二部) 職人さんの意見は…

オーダーメイドの三つ折り財布用のレザー一揃い
オーダーメイドの三つ折り財布用のレザー一揃い

裁断、完了。パート、ツー。
オーダーメイドの三つ折り財布に使うレザーがそろいました。
団長やミチコが入る予定のお財布ですよー。

ところで、今夜はね、ちょっと毒づきます。
なので、そういうの嫌いな方はここで。また明日ということで…

何カ月か前にね、すっげー腕の太いおじさんがレザーを切ってる写真と一緒に、こんなキャッチコピーを見まして。
「職人の力強い腕が、分厚い革の裁断に活かされてます」みたいな。

これを読んだ瞬間にですね。
「あっ、これっ、職人さんの意見が入って無い」って感じまして。
広告とかキャッチコピーの人だけで考えたんだろうなーって。

なんでそう思ったかと言いますと、まず、細腕の女性作家さんとかがね、どんどんすごい作品を作ってる世界なわけです。
それで、そういう女性が筋トレ三昧かっていうと、そういうわけじゃないんです。

そもそもですね…

  1. 片手でレザーをつまみ上げます。
  2. もう一方の手で革包丁あてて、下ろします。
  3. 切れてます。

…というのが、刃物の研ぎの目安なわけです。
職人さんの意見は…押し切られちゃったのかな。レザーを切るのはうまいのに。

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2014年1月11日 レザーの質について黙っていたこと

オーダーメイドのA4ノートカバー用レザーの一揃い
オーダーメイドのA4ノートカバー用レザーの一揃い

裁断、完了。
A4ノートカバーに使うレザーのひとそろい。
30センチ定規が小さく見えませんか。さすがA4サイズ。

そうそう、レザーの質については、これまで誰にも言ってないし、ホームページにも書いてなかったことがあるんです。
ただ、栃木レザーを使ってますというだけで。ちっと暴露しましょかね…

いやいやいやいや、偽装じゃ無いですよ。
大切なのはね、態度や努力です。きっと。

それでさ、栃木レザーにはですね、特A・A・Bとグレードがあります。
その中で、特AとAだけを使ってるんです。始めたときからずっと。

仕入れ以外にも、以前ねー、友人から一頭買いのレザーをいただいたことがありまして。
それには、内側の隅っこにシールが貼ってありまして。
普通だと良く分からない数字が書いてあるのですが…10cm四方の値段でして、特Aでしたね~。

別に、隠してたわけじゃないんですよ。
ただ…「内は特AとAだけを使ってます」なんて、どこの馬の骨とも知らないのが言ったところで、あんまり意味無いかと思って。
手に取った人に「これはよそとは違うぞ」って感じてもらえた方が、よっぽどいいかと思いまして。

問題があるとすれば…たっかいんだよねー。うー。

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2014年1月10日 (第二部) 愛されキャラのウサギちゃん

オーダーメイドの三つ折り財布のミチコさん
オーダーメイドの三つ折り財布のミチコさん

「ワタシミチコ…」と語り始める愛されキャラのウサギです。
三つ折りのお財布に登場する二人目でーす。

ぬいぐるみを見ても特徴がつかめなくて、ご依頼者様が少し前に描かれた絵を探しましてね。
耳の長さとか目や口の位置とか確認しまして。また、端切れで試作です。
団長と同じ、エンボッシングという方法で飛び出して来てます。

優しげで、どこかひょうひょうとしてるような雰囲気、出てるんじゃないでしょうか。
“団長” と今夜の “ミチコ” が、お財布を楽しく飾りますよー。

型紙と押し型が完成したら…
いよいよ、レザーの加工に入れますねー。

「いーことあるって」なんて、言ってるような。なんだかね。

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2014年1月10日 完成したとたんに夕陽が差しこんできまして

オーダーメイドのA4ノートカバーの型紙が完成
オーダーメイドのA4ノートカバーの型紙が完成

夕陽が差しこんできまして、急にポッと暖かくなりました。
A4ノートカバーの型紙がすべて完成して、撮ろうとしたとき差し込んできまして。
いや~っ、やっぱ、何か持ってるんでしょうね。幸運の女神的なもの。

これは、型紙を見れば、なんとなーく何を作ろうとしているのか分かりそう。
でもね~っ、見たこと無い仕組みが三つは入ってます。
お楽しみに~。

そう、それをお楽しみにするためにですよ。
試作品の写真はなんとなーく雰囲気が伝わるくらいにしといたのは。

先入観が無い方が楽しいと思いまして。
人生も物作りを見るのも。