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2017年3月31日 完了、焼印のペンケースのカスタマイズ(完成品への名入れ)

完了です。
焼印のレザー三角ペンケースのカスタマイズです。

すでに完成していたペンケースへの名入れです。
そのため、別の革に打刻して縫いました。

ただ…
後付けがバレバレなのは嫌でして…
しかも、お持ちになる方は革製品にお詳しいとのことで…

最も縫い難い場所を糸止め位置に選びました
最も縫い難い場所を糸止め位置に選びました

運針で攻めてみました~っ。
ポイントは糸止めの位置です。
指も針も入らないので、縫うのが一番難しい場所をステッチの始点と終点に選びまして。

これなら、革製品に詳しい人ほど後付けとは思わないはず。
おそらく最初からこのデザインだったと感じるんじゃないかな。

実際、腫れ物を触るような手縫いでしたけど…
ちょっと意地を張りました。
見栄を張らずに意地を張れっつって。

カスタマイズが済んだ焼印のレザー三角ペンケース
カスタマイズが済んだ焼印のレザー三角ペンケース

それでは、ご依頼ありがとうございました。
長くお役にたてますよう祈っております。

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2017年3月30日 完成品に打刻が出来ない理由(ペンケースのカスタマイズ)

こんにちは、暖かいですね。
窓全開で幸せ。

さて、焼印のペンケースのカスタマイズの続きですよっ。
打刻した革は昨日の今日で乾いてます。やっぱり暖かいからね~。

刻印の部分を切り抜くわけですが…
ここポイントですね。革の特徴が分かりやすいポイント。

打刻した革の周囲が丸く歪んでいます
打刻した革の周囲が丸く歪んでいます

もともと直線だった革の端が、ま~るく変形してます。
そりゃそうだよねっ。
水に濡らした上で深~い刻印を打ち込めば、まわりも歪みますよね。
これが、完成品に打刻が出来ない理由です。

焼印の写真も撮っておきました
焼印の写真も撮っておきました

そしてペンケースの焼印も撮っておきました。
私にとっても思い出深いです。
もし…なんらかの試験に真剣に取り組む機会が訪れたら、自分用に下ろしても良いな~って思ってましたので。

さあっ、刻印の革を縫い付けて参りましょ~。

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2017年3月29日 完成済みのレザーペンケースへの名入れ

こちら那須でもコブシが咲き始めたとのことでね。
北国の春ならぬ、北関東の春の訪れです…

そんな中こんな中、突如始まりました~。
焼印のレザー三角ペンケースのカスタマイズです。
名入れのご希望を頂きまして。

…ところが完成品には打刻は出来ません。
なぜなら、打つには革に水を含ませる必要があるからです。
そこでねっ、打刻した革を縫うことになったんです。

打刻した革を縫うことにしました
打刻した革を縫うことにしました

打刻は普通、一発勝負です。
試し打ちはするにしても一発勝負に変わりなし。

三度打ち直し、会心の刻印ができました
三度打ち直し、会心の刻印ができました

でもねっ…今回は何度でも打てるってことで…
会心の刻印が出るまで、三度打ち直ししました~っ。
こういうのもイイですねっ。

次の工程に進むには少なくとも一晩は乾かしま~すよ。

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2016年7月23日 焼印のレザー三角ペンケース、完成です

完成です。
焼印のレザー三角ペンケースです。

なにも知らなければ、最初から傷だらけのペンケースです。
それでもひょっとしたら、普通の傷ではなく生前のものだと気付くかも知れません。

ある心理学者によると、人は死を感じさせるものを自然と避けるそうです。
いちど口に入れた食べ物を出すと、自分のものでも汚く感じるのはそのためだとか。

だとすると、これを良いと思って頂ける方は極々限られると思うんです。

傷は生きているうちに治っています。
つくり手にとっても、持ち主になる方にとっても、出合いのものだと感じております。

うまく説明できませんが、直観的に愛おしさを感じていただける方の目に留まるチャンスがあることを祈っております。

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2016年7月22日 焼印とブランドのお話です

本体とマチが縫えました
本体とマチが縫えました

いつもより、かなり真面目にお話して参りました。
焼印の革のペンケースは まもなく完成です。

今回は縫う順番を入れ替えたりしてます。
手縫いの精度が上げると思いまして。

さて、前にも触れましたが「ブランド」という言葉の由来は焼印です。
むかし使ってた学研のスーパーアンカー英和辞典をひいてみますと…
“brand” は 1.商標、2.焼き印 と載っておりました。

前胴を縫う準備もできました
前胴を縫う準備もできました

ちなみにビジネスなんかで言うとこのブランディング( branding )は、 1.ブランド化、2.烙印を押すこと、とのことです。
ちゃんとあるんですね~。和製英語かと思ってました。

焼印につきましては、単純に「珍しいでしょ~っ」なんつって軽~く扱う気にはなれませんで。
背景なども含めてお話をして参りました。
いかがでしょうね。
たまにはこういうのも良いかなって思っております。

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2016年7月21日 焼印と国産牛革のお話です

焼印の裏側を磨いています
焼印の裏側を磨いています

昨日の焼印のお話で「あれ?」って思ったかも知れません。
まえにお話したことを覚えて頂けていたら…

国内では昔ながらの焼印は入れてない。
そして私のとこでは主に栃木レザー社の革を使っているはず。

なのに、なぜ?
焼印入りの革を加工しながらアメリカの事情を話しているのか…

磨いた裏側からもはっきり分かります
磨いた裏側からもはっきり分かります

今日はそこをお話したいと思います。
そもそも国産牛革とは?というとこがポイントです。

まず、栃木レザーは北米産の成牛の塩漬け皮を輸入して、なめして革にしていると はっきり述べております。
これが国産の牛革です。

街で見掛ける「国産牛革の○○」も、特別な売り文句が無ければそういうものだと思って妥当です。
なので私の所にも焼印が来ることがあるわけです。

日本にも牛はいっぱいいるのに~?って思うかも知れません。
でも、国産牛は肉だけで採算が合うので、革をとる必要は無いんだそうです。経済ですね。

国産は脂質が多くて革に向かないって、なにかで読んだこともありますが…
「松坂牛の革財布」なんてものが流通しているのを見ると、やっぱり付加価値の問題なんだと感じます。

いかがでしょうか。
世の中との関わりあいによって、感じることは人それぞれだと思います。

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2016年7月20日 焼印の三角ペンケースを作りたいと思います

焼印の痕です
焼印の痕です

今日から数日は、いつもより真面目にですね。
焼印のお話をしたいと思います。

さて、一点物を作りはじめました。
焼印の革をペンケースに仕立てて参ります。

焼印は牛一頭から一か所しか取れません。
なので、ワイルドな雰囲気の希少品として人気があります。

しかも、聞くところによりますと、動物福祉の流れがありましてね。
焼印そのものが減ってるそうです。
生産者の目印としては、他にも方法がありますからね。

焼印の痕は革の裏側からでも分かります
焼印の痕は革の裏側からでも分かります

個人的にも調べたのですが、細かい統計は得られませんでした。
米農務省の統計では、焼印は「その他」の項目に入ってます。
牛にとって負担が少ないという凍結烙印とかペンの標識と合算されてるんです。
もし、より詳しい調べ方をご存知でしたら、お教えいただければ幸いです。
主流は、耳につけるタグ(耳票)となっております。

今後も少なくなっていくのは、おして知るところでしょうか。
そもそも経済動物の扱いの変化は、牛に限らぬ大きな流れだと思うんです。

そんな中で、たまたま私のとこにやってきた焼印が今回の素材なんです。