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2012年11月5日 手紡ぎの綿との出会い

手紡ぎの綿糸
手紡ぎの綿糸

手作りの綿糸と出会いました。

無農薬で育てた綿を、人の手で紡いだ糸だそうです。

写真で繊細な違いを伝えるのは難しいと思いますが、色合いは微妙に変化し、優しく指で挟んで引いてみると、太さも一定で無いことが伝わってきます。

普段使っているレザー用の麻糸や、ブラジル産のマクラメ編み用の糸とは、まったく違う風合いです。

ほぼ一目ぼれで「わたいとや」さんから、ひとつ譲っていただきました。


手紡ぎ綿で作ったクロス
手紡ぎ綿で作ったクロスです

ワクワクしながら早速ひとつ作ってみました。手紡ぎ綿を使ったクロスのネックレスです。

ところで、レザーを縫う糸は、通常は「ロウ引き」という工程があります。ロウソクのロウのことです。

「ロウ引き」によって、糸のけば立ちが抑えられますし、作成中に糸にかかる負担も少なくなります。

数ミリもあるレザーの縫い穴を何度も何度も通過させるわけですから、糸にもそれなりの負担が掛かるわけです。

にもかかわらず、今回はその「ロウ引き」を一切行いませんでした。

この糸を手に入れるときのこと。
「ロウ引きしても使えるでしょうか?」
「大丈夫だと思います。でも、柔らかさは失われますね。」
そうお答えを頂いた時、一瞬、寂しそうな表情をしたように思えたからです。

一針ひとはり、優しく、糸に負担をかけないように縫い、糸を引き過ぎないように編んでいきます。

出来上がったクロスは、今まで出会ったことのない優しそうな一品となりました。