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2016年11月21日 手作り革クリームを作るゾ②そもそも革のお手入れとは

今宵も更けて参りましたね。
ぼちぼち、晩酌なんていかがでしょうかね。

0.3cc の計量スプーンを手に入れまして
0.3cc の計量スプーンを手に入れまして

さて、夢工場の夜の研究室では、オリジナル革クリームづくりにむけてちゃくちゃくと準備が進んでおります。
0.3ccの計量スプーンなんかも手に入れまして。
ひと瓶作るだけだから、ちっちゃいのが要るらしくって。
でも那須の田舎なもんでね~っ、なかなか必要なものが集まらなくって…

そこで今夜は、そもそも革の手入れとは何か?ってことについて、偉そうにお話したいと思います。
何かのお役にたてば幸いです。

ところでねっ、革の手入れについてこんな経験ありませんか?
「お手入れは必要って言うからオイルを塗ったのに、油ジミになっちゃった(涙)」
「特別な手入れはいらないって言うからほっといたのに、ヒビ入っちゃった(涙)」
…どちらもありがちです。

両方とも極端で、適度に油分を入れてやれば良いわけです。
ところがですね。この “適度” っていうのが曲者なんです。

例えば、キーケースとか名刺入れの場合。
一日のうちに何度も持ち主の手にとってもらえる。埃がついたら払ってもらえる。
すると、手肌の微量な油分が移り、清潔な状態にある。

…これはねっ、お手入れ要らずです。
常にお手入れしてるようなものなんだから、うっかりオイルなんて入れ過ぎれば油ジミにもなります。

一方で、最も過酷な環境にいるのはやっぱりクツですね。
なにしろ人の足を包んでるわけですから。掛かる力が違います。
ぶつかれば傷つき、大量の汗を吸い込んでは乾燥の繰り返し。そりゃ油も抜ける。

…これはねっ、労わりが必要です。
オイルも入れないと老いるよ(←おやじギャグじゃないですよ)。

そうなんです。
相手の素性や環境が違うのに、たった一つの方法が常に正解なんておかしいんですよ。
例に挙げた2つは両極端で、その間にいろんなものがあるんだと思います。

まずは、相手を知ろうとすることが大切だと思うんですよね。
知ろうとしてもらえるって、嬉しいし。

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2016年11月20日 手作り革クリームを作るゾ①きっかけ

有名な革クリームの成分を書き出してゆきます
有名な革クリームの成分を書き出してゆきます

本気で勉強するなら紙と鉛筆。
…そんなイメージがあるのは歳のせいでしょうか。

そんなわけでねっ、真剣に革クリームの成分を分析中です。
実はねっ、オリジナルのクリームを作りたいと思いまして。

前から作ってみたいと思ってたんですが…
膨大な専門知識を思うと、見果てぬ夢かとあきらめて…

ところが先日、うすらぼんやり facebook を見てたら衝撃の記事。
「ホホバオイルの手肌しっとりクリーム作りました」とのこと。
脳天を貫かれたような覚醒。圧倒的、覚醒。 ToBe に天啓きたりっ。(カイジ風)

ホホバオイルってさ、革用のクリームにもよく使われてるんですよ。
間髪おかずにメッセージを送りまして。
したっけさ、惜しげもなくアドバイスを貰えまして。
素晴らしい情報をありがとうございます~。

…そして思い返せばさ、男どもで話すときはクリームの成分なんて二の次だったんです。
そりゃちょっとは見るけど、使った結果どうなるかってことばっかり。
ほんと結果のみ。

で、初手として有名どころの革クリームやオイルの成分を分析です。
ノートにエンピツで書き出してゆきます。本気の勉強。
コロンブス、モゥブレイ、ラナパー、コロニル、ダスコと…

すると革クリームの特徴と一つひとつの成分の関係が見えてきたんです。
(このお話は次回(近日中)に続きます。)

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2016年11月19日 誕生 “レザー蝶番の宝箱” 革と糸だけのヒネリ

作りたいものリストの中で、長く眠り続けていた一つのアイデア。
こつこつ技術を磨き、積み重ね。
「もう作れるんじゃないか?」…とスタートを切ったのがほぼ一か月前…

完成ですっ。
“レザー蝶番の宝箱” っで~す。

いや~っ、われながら苦労しました。
特に “ヒネリ” がね~。
ヒネリのヤツにはね~。
何度、涙目にさせられたことか。
革と糸だけでヒネリを作るのは、予想以上に高い壁で…

「次に叩く一回で、その壁はやぶれるかもしれない」(by 松岡)っつってね。
「僕は君の修クリーム。苦しい時ほど笑ってごらん」(by 修造)っつってね。

ひらすら夜なべが続き…
ここまでたどり着~きました~。
ちなみにヒネリのスムーズさはこちらの動画で。(再掲載)

革と糸だけで作った “ヒネリ” の動き(YouTube)

手仕事の味わいが感じられる箱だと思うので。
大切な思いが秘められたアクセサリーなどしまってもらえたら嬉しいです。
すでに、ミンネに出品しております。

そしてね。
コレが作れるってことはさ。
ペンケースだのジュエルボックスだの、他のあらゆる箱を作る閉じていた道がブワ―っと開いたことを意味しております。
「カメはベストを尽くした。君はどうだ?」(by 松岡 修造)

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2016年11月18日 完成 “レザー蝶番の名刺入れ” 素材カード付き

完成です。
オーダーメイドの “レザー蝶番の名刺入れ” です。

まず目が止まる革の蝶番は、遊び心です。
私自身、今でも見ると開け閉めしたくなる。
最初は硬めですが、パタンッと音を鳴らして閉めるのも楽しいです。
昔の2つ折りケータイみたいです。

内側が生成りのヌメ革っていうのも狙いがあります。
バイカラーでお洒落っていう他にですよ。

名刺入れの内側って傷を付けにくいですよね。
たいてい名刺交換そのものが丁寧に行われるので。
するとごく自然に経年変化を楽しめてしまうという目論見なんです。

そして、今回から「素材カード」というものを作ってみましたっ。
定番のサービスにするかどうかは、検討中ですが…

例えばアニリン革はアルカリ性のクリームだと色落ちする可能性があります。
そもそも革用クリームの説明に「目立たないところでテストしてからお使い下さい」などと書いてあります。

なのでテスト用の革を別途お付けしたら嬉しいかも?って考えまして。
革のまめ知識をつけてカードにしました~っ。

ご愛顧いただいているお客様に感謝を込めまして。
私もまた、少しずつ成長していければと思っております。
いつもありがとうございます。

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2016年11月17日 タンニンなめし革はお湯で成形&お手入れできます

ぷっくり膨らんだポケットです
ぷっくり膨らんだポケットです

いやはや連日のぽかぽか陽気で幸せ~っ。
もうこれ以上寒くなんなきゃいいのにっ。

でもね、縁日のひよこ売りが「これ以上おおきくなんないよ~っ」つっててもさ。
大きくなるんだよ。青とかピンクの子も黄色に戻るし…

そんなわけで、今日も楽しく作っていきたいと思いま~す。
オーダーメイドの名刺入れで~す。

ポケットに水をたっぷり含ませまして。
クサビの革をグイッと押し込むとあら不思議。
ぷっくりとご自分の名刺を入れるポケットに。
これで20枚くらい入りますよ。

【お湯による革のお手入れ】

ところで、革のお手入れでお湯ってつかってますか?
傷が小さくなったり目立たなくなったりするんですよ。
ポケットがぷっくりしたのと同じ理由です。

まず60度くらいのお湯を用意。
お茶がおいしく淹れられる温度ですね。
これをタオルに含ませて軽くしぼりましてね。
革にあてがってやるんです。

ここで大切な注意っ。
強く押したりこすったりしちゃダメですよ~。

表面全体にかる~くむらなく染み込ませたら陰干し。
革はものすごく敏感な状態なので、出来るだけ触らないで。

30分くらいして乾いたら、皮革クリームとかオイルでお手入れします。
これだけで、革の傷は小さく目立たなくなっちゃうんです。
これ良くない?良くないこれ?

革によっては染料とか塗料が落ちるので気をつけてねっ。
…ただ~…失敗しながら覚えてくってとこもありますからね~(爆)。

レザー蝶番の名刺入れ、まもなく完成です
レザー蝶番の名刺入れ、まもなく完成です

もちろん制作中の名刺入れはこの方法が使えます。
さあっまもなく完成ですよ~。

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2016年11月16日 曲げ貼りした革を見て思う

革ポケットの内側
革ポケットの内側

11月も後半だというのに、那須は陽だまりが温かくって。
今日は全国的にそのようですね。
心まで緩くなる気がしませんか。

さて、オーダーメイドの名刺入れ作りが続きますよ。
ヤスリ掛けしてるのは、ご自分の名刺の束を入れておくポケットになる革です。

左右非対称のカーブでしょう。
右手で取り出しやすいデザインです。

こういう曲線の仕上げは見た目より難しいんですよ。
優し~く触らないと、すぐクチャクチャになっちゃう。
繊細。
先妻より繊細。

曲げ貼りによる曲線です
曲げ貼りによる曲線です

…そして革の蝶番の成形。
蝶番に向かってクリンって曲がってるでしょう。

2枚の革の接着面の長さを2ミリずらすことで、自然に曲げてます。
曲げ貼りって言いましてね。
最初にレザー蝶番の名刺入れを作り始めた頃は出来なかった手法です。

かれこれ3年以上作ってますからね~。
ただのダジャレおじさんだと思ってるかも知れませんけどもね、ちょっとずつ積み上げてきたわけですよ~っ。

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2016年11月15日(第二部) もっと役に立ちたいと思った宵

内側のステッチを隠す仕組み
内側のステッチを隠す仕組み

今宵も更けて参りましたね。
ぼちぼち、ウィスキーでもやりたいと思います。

昨日の夜はね、赤い革が仕入れられないってことで…
いきなり残念なお知らせをしたわけですけども。

せっかくブログとか facebook でお話しできる場所がありますので。
お客様のためになる情報は素早く出したいと思います。

さて、気を取り直しまして、本番の “レザー蝶番の宝箱” づくりで~すよっ。
やっぱり、試作品より出来がイイっ。

まもなく完成です
まもなく完成です

幾つも工夫を加えましたし。
手ごたえアリですよ~っ。
まもなく完成ですからねっ。
したっけしっかり写真撮ってお見せしたいと思います。

ところで最近ねっ、ホント感じることが多いんです。
特に注文を頂く方から、ブログとか facebook とかよく見られてるな~って。

くだらないおやじギャグを飛ばしながらね。
キャッキャキャッキャ言いながら作ってるだけでなのに。

なんかごめんなさい。
だから革の役に立つ話もちょこちょこ挟んでいきたいと思いまして。
いつも、ありがとうございます。